2015/08/18

本気のお話。

Raga BhairaviのJhaptaalに、「バワーニ〜ダヤ〜ニ〜♪」という歌があります。女神様を想って作られた曲。
とても古い一曲で、ドゥルパドのダーガル流派で作曲され歌われているものだけど、youtubeなんかで探すと出てくるのは全部カヤールの声楽家。
ドゥルパドはインドでも圧倒的に、それはそれはもう驚くくらいの少数派なので、 この曲探しても全然出てこない。

そんなわけで、ドゥルパドで作られたけどカヤールで有名、みたいな曲いっぱいあります。
でもわたしはそういうのが結構、すき。
ドゥルパドとカヤールはやっぱり親子なのねと思うから。
ドゥルパドはそうやって静かにいつも、 あんまり知られはしないけれど、インド音楽を志す全ての人の精神を、陰ながら支え続けるかもって。

美しいもの、この先も何百年も、人々に響き渡ってほしい。
そんな襷みたいな役割を、日本に生まれたわたしだってほんの少し担えること、とっても嬉しい今日この頃。

いろーんな人が歌ってて。
この方のが一番、すき。

あ、ヴァラナシ出身の兄弟デュオ、ラージャンサージャンさんも。

最近はもう一日中バワニダヤ二。昼寝の夢もバワニダヤ二、練習もバワニダヤニ。

それでも飽きないのが、インドの音楽。
大丈夫、飽きないの。

一度本気になったら、嫌いになることも飽きることもないのです。
ただしほんとの、本気のとき。みんなもきっと、そう。

そういう出会いは大抵、人生を簡単に変えてゆくし、そうやって流されて生きてくのとかほんとに素敵!と思っている。

言葉もドゥルパドも、人も。
そんな本気に出会ってしまうと、それはそれは辛いこと、人にはあんまり言えないことも、あったりするでしょ。
でもどんな形で向き合うことになろうと、ありがとうと言いながら、わたしはわたしが消えるその時まで、たまに夢の中で出会ったり、たまに四六時中そばに居たり、どうしようもないくらい愛しくて苦しい想いに駆られたりしながらも、生涯一緒に生きていきたいと思うのです。

わたしはドゥルガーに、愛されてしまったから。

鏡を見ると、後ろで彼女が泣いたり怒ったり大笑いしてたりして、それを見るとプッと笑えて、すべてが水に流される。水の音とか、穏やかでも激しくても関係なく、美しいもの。
なのですよね!!


そういう本気に、みーんなが出会うといいな。
おやすみ。


なお